子供を宿す以前や出産前には正常だった血圧が産後に高い値を示してしまうということは比較的良く見られる現象です。妊娠中は胎児を抱えていることによって心臓にも負担がかかり、血管も物理的に圧迫することから、その状態が長く続いていたことによって心臓や血管に支障が生じてしまうということがその原因と考えられています。こういった場合には妊娠の後期から高血圧を発症することが多く、産後数か月を経て血圧が正常値に戻ることが多いのが特徴です。しかし、異常に高い値を示したり、数ヶ月経っても下がらなかったりすることも多く、減塩等の食事療法や運動療法によっても改善が見られない場合があります。そういった際にはノルバスクのような降圧剤を利用することによって産後高血圧の管理を行っていくことになります。しかし、この時期に気をつけなければならないのが授乳による乳児への影響です。授乳によって薬物が乳児に移行してしまうことになるため、ノルバスクを含めて授乳中は降圧剤の使用は禁忌とされるのが一般的な考え方です。そのため、ノルバスクを用いて血圧管理を行う場合には授乳を一時中断するという選択がなされます。しかし、最近のガイドラインではノルバスクを含むいくつかの薬剤については授乳中も使用可能とされるようになっており、産後高血圧が生じてしまっている人でも母乳によって子供を育てるということができるようになってきています。同様のことが妊娠中においても起こっており、妊娠週によって使用可能な降圧剤が挙げられるようになっています。しかし、降圧剤による血圧管理に加えて食事療法や運動療法を続けていくことは血圧の正常値化に不可欠であり、降圧剤が使えるようになったからといって安心してはなりません。